IBMS & JSBMR joint meeting in Kobe

6月1日土曜日

先週、第2回の国際骨代謝学会と日本骨代謝学会の合同学会が神戸で開催されました。

僕自身は他の仕事があり最終日にしか参加できませんでしたが、多くの海外の研究者も参加して有意義な学会だったみたいです。

当科からは僕を含めて3つの演題発表があり、発表後にたくさんのコメントや質問をいただきました。

1) Kanazawa I, Canaff L, Murshed M, Hendy GN. Menin is required to maintain bone mass in older mice.

Men1遺伝子にコードされたMeninという核内タンパクの骨における役割を、ノックアウトマウスとトランスジェニックマウスを用いて研究した実験で、Meninが骨量維持に重要な役割を果たしていることを明らかとした研究発表です。

2) Notsu M, Yamaguchi T, Okazaki K, Tanaka K, Ogawa N, Kanazawa I, Sugimoto T. Advanced glycation end product 3 (AGE3) suppresses the mineralization of mouse stromal ST2 cells by increasing TGF-beta expression and secretion.

我々の以前の報告により終末糖化産物であるAGEが骨芽細胞機能を低下させることはすでに明らかとなっていますが、本研究ではさらにその詳細なメカニズムについて検討を進めました。骨髄間質細胞において、AGEがTGF-betaの発現を促進することにより骨芽細胞分化を抑制していることを明らかとしました。

3) Tanaka K, Yamaguchi T, Kaji H, Kanazawa I, Sugimoto T. The role of endoplasmic reticulum stress in bone formation suppressed by advanced glycation end products.

小胞体ストレスと骨芽細胞機能について注目されています。本研究ではAGEが骨芽細胞機能を抑制するメカニズムが小胞体ストレスを介していることを初めて見出しました。

これらの演題は秋にボルチモアで開催される米国骨代謝学会でも発表予定です。

今後も島根から世界へ、新たなエビデンスを発信していけるように頑張ります!

金沢一平 糖尿病と骨粗しょう症専門医からの提案