第14回動脈硬化教育フォーラム in 仙台

2月2日(日)昨年11月にACC/AHAガイドラインが発表されましたが、
このガイドラインは欧米人を対象にし、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の予防を目指し、LDL-Cに焦点を当てたものになっています。

脂質改善薬の中でASCVD予防のエビデンスは、ストロングスタチン以外にはなく、以下の4グループではスタチンを始めましょうというものです。
①ASCVD既往あり(2次予防)
②LDL-C 190以上...
③LDL-C 70〜189の40〜75歳の糖尿病
④LDL-C 70〜189の10年以内にASCVD発症リスクが7.5%以上

さて、これが日本人にも当てはまるでしょうか?

ACC/AHAガイドラインには、LDL-C以外の概念がなく、残余リスクの考え方も入っていません。特に糖尿病患者はほとんどストロングスタチンを飲むことになってしまいます。しかも、治療目標値の設定もないので、副作用がない限り継続するということなんだようです。治療後のLDL-Cも測らなくてもいいんだとか。

やはり、生活習慣の改善を大切に考え、きめ細かい診療をしてる日本人には馴染めないガイドラインですね。MEGAスタディやLELISのエビデンスのある日本人では、必ずしもストロングスタチンじゃなくてもいいと思いますし、日本人でのエビデンスに基づいた日本人特有のガイドラインが必要だと思います。

日本動脈硬化学会としても、ACC/AHAに追従することなく、今のところは2012年に発表された動脈硬化予防ガイドラインを使用して行きましょうということでした。

その他にも興味深い話がたくさんあり、勉強になりました。

金沢一平 糖尿病と骨粗しょう症専門医からの提案