第17回愛媛軽症糖尿病懇話会

2021年10月20日

愛媛の糖尿病診療を行っている先生方を対象に糖尿病と骨粗鬆症との関連についてのセミナーをさせていただきました。

我々の患者を寝たきりにさせない!~糖尿病患者を骨まで愛して~

座長はみかんの花クリニックの新谷哲司先生

新谷先生には以前からお世話になっており、FB友達でもあります。そんな先生に座長をしていただき、楽しくお話をさせていただくことができました。

また、演題Ⅱの座長の松山赤十字病院の近藤しおり先生とは、以前に共同研究をさせていただいたことがあり、学会発表、英語論文に結実させました。愛媛の先生方とのつながりに感謝です!

Yokomoto-Umakoshi M, Kanazawa I, Kondo S, Sugimoto T. Association between the risk of falls and osteoporotic fractures in patients with type 2 diabetes mellitus. Endocrine Journal, 2017; 64(7): 727-34.

糖尿病は様々な合併症、併存疾患のリスクになることから、血糖管理だけでなく全身管理が求められる病気です。

エール君
エール君

糖尿病専門医 血糖専門医になるなかれ

したがって、糖尿病患者さんの健康寿命を延ばすためには、さまざまな視点が必要です。その一つとして、骨ケアがあります。

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骨はマルチプレイヤー

骨には①体を支える、②運動を作り出すという運動器としての役割以外にも、③内臓を保護する、④血液を造成する、⑤カルシウムやリンの貯蔵庫としても活躍します。近年では、骨からホルモンを分泌して糖・エネルギー代謝にも関連しているということが報告されるようになり、⑥内分泌臓器としての骨の役割にも注目されています。

①体を支える

②運動を生む

③内臓を保護する

④血液を作る

⑤カルシウム・リンを貯める

⑥ホルモンを分泌する

糖尿病患者の骨ケアを行うために、どういった患者さんで骨折リスクが高いかを知っておく必要があります。生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド2019年版にも記載させて頂いましたが、リスク因子として以下のものがあると報告されています。

糖尿病患者が骨折すると、日常生活動作ADLや生活の質QOLが低下するだけでなく、糖尿病治療にとって大事な運動療法の遵守が難しくなり、さらに痛みなどにより治療意欲の減衰から糖尿病自体の増悪につながるという悪循環が形成されることになります。

糖尿病患者は健常人に比較して寿命が短く、脆弱性骨折も生命予後不良に影響することから、いかに糖尿病患者の骨を護ることが重要か、ご理解いただけると思います。

エール君
エール君

先生!糖尿病患者さんを骨まで愛してあげてください!

生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド2019年版
金沢一平 糖尿病と骨粗しょう症専門医からの提案