2021年10月12日
弘前大学内分泌代謝内科学講座の柳町幸先生に座長をしていただき、弘前市の先生方に糖尿病治療、特にGLP-1受容体作動薬の使い分けについてお話ししました。
増えてきた糖尿病治療薬を整理する~GLP-1製剤はどう使い分けてますか?~
VUCAの時代と呼ばれるようになって久しいですが、医療の場ではあまりなじみがないかもしれません。
V: Volatility(変動性) U: Uncertainty(不確実性) C: Complexity(複雑性) A: Ambiguity(曖昧性)
急速な技術開発、新型コロナ、創薬・再生医療・個別化医療の進歩により医療を取り巻く外部環境は大きく変化をしてきています。医療制度、医療システム、患者ニーズが変われば当然医療の形が変わってきます。したがって、糖尿病の治療戦略も大きく変わってきています。
EBMからEABMの時代へ
エビデンス(根拠)に基づいた医療を提供することはとても重要なことです。しかし、時代の流れが速くエビデンスが確立する頃には新しい治療方法や考え方がでたりする時代では、根拠と分析を合わせたEABM (Evidence Analytics-Based Medicine) が重要だと考えています。
そんななかで、GLP-1製剤の位置づけが徐々に上がってきています。
以前は注射薬であったため、処方率がなかなか伸びなかったのですが、最近は有効性や安全性のエビデンスが増えてきて、週1回注射、デバイスの開発、内服薬の開発が相次ぎ、GLP-1製剤の注目度が上がってきています。
GLP-1製剤をどういう患者にどう使うのか?分析と考察が求められる時代では、専門医の力が試されますね。