2021年11月17日(水)
兵庫県姫路市の先生方を対象に、森医院副院長の森博子先生に座長を務めていただき、早期からの糖尿病治療強化の意義とGLP-1受容体作動薬の位置付けについてお話しさせていただきました。
森博子先生は糖尿病だけではなく骨粗鬆症、動脈硬化症の分野でもご活躍されており、以前から色んな会でお会いしてお話しさせていただくことが多いです。森先生はお話も上手で、尊敬できる先生の一人です。
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そんな森先生に座長を務めていただき、糖尿病についての講演をさせていただき、とても緊張しましたが、楽しく1時間お話しさせていただきました。
糖尿病患者に早期から接触的治療強化の恩恵を~GLP-1製剤への期待~
今回の講演会では、特に糖尿病の早期治療強化にフォーカスしてお話ししました。
糖尿病は自覚症状に乏しく、多くの先生方が治療強化ができていないという現状があります。症状がないために患者さんの訴えが少なく、医師の方から積極的にならなければ、そのままズルズルと同じような治療を継続し、いつの間にか内因性インスリン分泌能にダメージが蓄積し、合併症が進むケースをしばしば目にします。糖尿病の早期治療強化に欠かせないのが、医師のしっかりとした認識と医師側の障壁(クリニカル・イナーシャ)を乗り越える積極性です。
『鉄は熱いうちに打て』
鉄は熱して柔らかいうちに鍛えなければならない。すなわち、頭が柔軟で若い吸収能力があるうちに鍛えるべきであるということです。糖尿病の治療強化において、血糖コントロールが不十分で強化が必要な時というのは、患者さんも医師もなんとかしたいというマインドを持っている時でもあります。
また、好機を逃して鉄が冷めてしまうと打っても鍛えられません。まさに好機を逸してはいけないということです。糖尿病においても強化すべき時期に「様子見ましょう」とズルズルと治療強化ができずに経過し、結果的に好機を逸してしまう場合があります。これは患者さんのためにも避けないといけないことです。
鉄は打てば打つほど、ナノスケールのレベルで結びつきが強くなり、強度が増していきます。 時機を逸せずに治療強化をしていきたいですね。